CFRPプレス加工のシワ・ボイドを防ぐ設計ポイント
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金属部品からの軽量化・高剛性化を検討する際、CFRPは非常に有用な素材です。しかし、いざCFRPのプレス加工品を設計しようとすると、シワやボイドといった成形不良に悩まされる方は少なくありません。CFRPは一般的な樹脂と異なり、連続した炭素繊維が含まれているため、他の樹脂と同じように設計をすると、思わぬ品質トラブルを招くことがあります。
そこで本記事では、CFRPプレス加工特有の成形不良を防ぐための3つのポイントを解説します。
CFRPプレス加工のシワ・ボイドを防ぐ3つの設計ポイント
ポイント①:コーナー部は可能な限り大きくとる
CFRPプレス加工において、コーナー部が最も「シワ」が発生しやすいです。
一般的な樹脂成形であれば、溶けた樹脂が金型の隅々まで流れ込みますが、CFRPの連続繊維は伸び縮みしにくい性質を持っています。そのため、コーナー部Rが小さすぎると、プレス時に繊維が追従できずに余ってたわんでしまい、これがシワとなって現れます。また、繊維がコーナーの奥まで届かないことで、樹脂だけが溜まり、そこに空気が閉じ込められてボイドの原因にもなります。
対策として、製品の機能が許す限り、コーナー部のRは大きめに設定します。板厚や材料にもよりますが、最低でも「R3〜R5以上」を確保することで、繊維がスムーズに金型へ沿い、シワやボイドのリスクを大幅に低減できます。
ポイント②:十分な「抜き勾配」を設定し、離型時の負荷を軽減する
プレス成形後の「抜き勾配」も重要です。抜き勾配が小さすぎると、金型から製品を押し出す際に強い摩擦が生じます。この摩擦によって製品内部に応力がかかり、層間剥離や、微小なクラックを引き起こす原因となります。
対策として、条件にもよりますが、立ち上がり面には、一般的な樹脂成形よりも少し余裕を持たせた抜き勾配(1度〜3度以上、形状によってはそれ以上)を設定します。離型時の抵抗を減らすことは、製品の寸法精度を安定させることにも直結します。
ポイント③:急な肉厚変化を避け、プレス圧力を均一に保つ
急激な肉厚変化も、ボイドを発生させる大きな要因です。肉厚が急激に変化する設計になっていると、厚い部分と薄い部分で圧力がかかるタイミングや圧力の強さにバラツキが生じます。圧力が十分に伝わらない箇所には空気が残りやすくなり、結果としてボイドが発生してしまいます。
そのため、肉厚は可能な限り均一にするのが鉄則です。どうしても厚みを変える必要がある場合は、段差をつけるのではなく、なだらかなテーパー状にして徐々に厚みを変える設計にすることで、プレス圧力が全体へ均等に伝わりやすくなります。
当社の製品事例
事例①:ALL CARBON CHAIR2(材質:UD材 / チョップ材 / 不織布材)

ALL CARBON CHAIR2は、前作を進化させたCFRP製の座椅子・スツールです。
カーボンシート、CF 3Dプリンター部品、CFパイプを使用し、ボルト・ナット以外をすべてCF材で構成しています。座面下のパイプ接続部にはナットのインサート成形を採用しています。板厚2tの薄肉設計と姿勢矯正コンセプトを継承しつつ、強度解析に基づく形状剛性設計により、十分な製品強度とランバーサポート機能を両立しました。
CFRPの特性を活かした適度なバネ性により腰椎周辺へ効果的に負荷を与え、感覚運動反射を通じて姿勢改善や腰痛予防が期待できます。
事例①:ドローンブレード(回転翼)(材質:クロス材+発砲材+心材)

全長約350mmの片翼仕様で、1機あたり8枚のブレードが必要となる設計を想定しています。機体や荷物を運搬するドローンにおいて、軽量かつ高強度が求められる本製品は、発泡材をクロス材で包み、強度の必要な部位に心材を使用することで性能を両立しています。
熱硬化・熱可塑性を問わず、発泡材や表皮材などの最適な組み合わせにより、機能性と成形性を兼ね備えた複合構造を実現しています。
CFRP・樹脂成形はお任せください!
今回ご紹介した3つのポイントは、いずれも製品設計段階で対策できるものばかりです。一度金型を作ってから不良が発覚し、金型を修正・作り直すことになれば、膨大なコストとタイムロスが発生してしまいます。
金属部品からのCFRP化をご検討中の方や、他社で試作したCFRP部品の品質が安定せずお困りの方、CFRPに関する金型試作でお困りの方は、ぜひ一度、ご相談ください。
大型樹脂成形
複合材料の試作・圧縮成形プレス金型製作
自動車内装用 樹脂プレス圧縮成形同時トリム金型の 設計・製作
