3Dプリンター試作と金型試作の使い分けのポイント
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目的で選ぶ:3Dプリンター試作と金型試作
まずは「試作で何を確かめたいか」で考えると、選ぶべき方法がはっきりします。
| 試作で確かめたいこと | 向いている方法 |
|---|---|
| 形・大きさ・見た目の確認 | 3Dプリンター |
| 他の部品との組み付け・干渉の確認 | 3Dプリンター |
| 金型を作る前の形状の最終確認 | 3Dプリンター |
| 製品と同じ材料での強度・剛性の評価 | 金型試作 |
| 成形できるか(シワ・反り・充填など)の確認 | 金型試作 |
| 量産を見据えた成形条件の検討 | 金型試作 |
3Dプリンターは「形を確かめる」ため、金型試作は「製品として使えるかを確かめる」ための方法、と覚えておくと分かりやすいです。
3Dプリンター試作の特長
3Dプリンターは、3D CADデータをもとに、材料を薄い層にして1層ずつ積み重ね、立体物をつくる装置です。金型や刃物を使わないため、データがあればすぐに形にでき、中が空洞の形や入り組んだ形もつくれます。
造形の方式には、溶かした樹脂の糸を積み重ねる熱溶解積層(FFF)方式、液体の樹脂に光を当てて固める光造形方式、樹脂を細かく吹き付けて固めるインクジェット方式などがあります。試作では主に、形や大きさの確認、他の部品との組み付けの確認、治具の製作などに使われています。
当社では、キーエンス製の製造現場向け3Dプリンター「GX-1000」(熱溶解積層方式)を導入しています。最大300×400×300mmまで造形でき、カーボン入りの樹脂など5種類の機能性樹脂から用途に合わせて選べます(詳しくはキーエンス製3Dプリンター「GX-1000」を導入しました)。
当社での実際の造形時間と価格の例は次のとおりです。
| 造形物 | 材料 | 造形時間 | 価格 |
|---|---|---|---|
| ナットインサート成形品(Φ55×35mm) | GX-M1 | 6.5時間 | 6,200円 |
| チェア脚部の接手(10個) | GX-M1 | 19時間 | 17,000円 |
| 防振ブロック(120×80mm) | GX-F1 | 128時間 | 130,000円 |
当社では、金型を作る前の形状確認用モックアップのほか、製品に組み付ける部品や、製造現場で使う治具の造形にも活用しています。
一方で、3Dプリンターの造形品は、製品と同じ材料・同じ工法で作ったものではありません。そのため、CFRPなどの成形品としての強度や、成形時に起きる不良までは確かめられません。また、造形サイズを超える大きな部品は、分割して造形する必要があります。
金型試作の特長
ここでいう金型試作とは、試作用の金型を製作し、その金型で実際に樹脂を成形して試作品をつくる方法です。製品と同じ材料・同じ工法でつくるため、強度や剛性を数値で評価できるほか、シワや反りといった成形上の課題も、量産前に洗い出せます。また、実際の装置に組み付けての動作確認や耐久試験など、量産品に近い条件で評価を進められるのも大きな利点です。
金型費はかかりますが、当社が得意とする圧縮成形(プレス成形)は、射出成形に比べて金型の構造がシンプルで、金型費を抑えやすい工法です。また当社は1個から試作でき、最大1500×2000mmの大型部品にも対応しています(大型樹脂成形)。
3Dプリンター試作と金型試作の比較
| 比較項目 | 3Dプリンター試作 | 金型試作 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 形状・組み付けの確認 | 強度・成形性・量産性の評価 |
| 材料 | 3Dプリンター用の樹脂 | 製品と同じ材料(CFRP・GFRP・各種樹脂) |
| 大きさ | 最大300×400×300mm(当社GX-1000) | 最大1500×2000mm(当社) |
| 期間 | データがあれば数時間〜数日で造形 | 金型の設計・製作期間が必要 |
| 費用 | 金型費が不要。造形物ごとの費用のみ | 金型費が必要(圧縮成形は比較的抑えやすい) |
| 形状変更 | データを直してすぐ再造形できる | 金型の修正が必要 |
おすすめは「3Dプリンター → 金型試作」の順番です
2つを組み合わせると、手戻りを減らしながら確実に開発を進められます。
・3Dプリンターで形状を確認:形や組み付けを早い段階で確かめ、設計を固めます。
・試作金型で成形・評価:製品と同じ材料で成形し、強度や成形性を確かめます。
・評価結果を反映して量産へ:必要に応じて金型を修正し、量産型につなげます。
当社の自動車エンジンルームの補強部品では、まず3Dプリンターで実寸モデルを3分割して造形し、形状を確認してから金型を製作しました。さらに、リブのない金型で成形・評価したうえで、強度の検討結果をもとにリブを追加するよう金型を修正しています。またEVバッテリーカバーでは、試作型で材料と成形条件を検証してから量産型を製作しました。
3Dプリンター試作から金型試作まで、当社にご相談ください
応原工業は、50年以上にわたり樹脂圧縮成形プレス金型を設計・製作してきた金型メーカーです。3Dプリンターでの形状確認から、金型の設計・製作、試作成形まで社内で一貫して対応できるため、窓口がひとつで済み、試作の段階ごとに業者を探す手間がかかりません。
「どこまで3Dプリンターで確認し、どこから金型を作るべきか」といった段階からご相談いただけます。お問い合わせには当日または翌営業日にご回答し、お見積りは通常1週間程度でご提示します。
大型樹脂成形
複合材料の試作・圧縮成形プレス金型製作
自動車内装用 樹脂圧縮成形プレス同時トリム金型の 設計・製作
